2025年12月6日(土)

MAGA解剖

2025年5月1日

レビットやヴァンスと正反対
注目を嫌い裏方に徹する

 選挙の夜、トランプにマイクを向けられ、スピーチを拒否したシーンが印象的だったように、ワイルズは注目されることを異常に嫌い、裏方に徹することを好む。その控えめな態度の裏で実際にメスを振るっているのが、ワイルズである。本連載の初回(本誌25年2月号)に取り上げたキャロライン・レビットホワイトハウス報道官やJ・D・ヴァンス副大統領とは正反対だ。

 トランプ人事には物議を醸しそうな人物がいるが、ワイルズは全く心配していない。例えば、女性に性的暴行をした疑惑があるピート・ヘグセス国防長官や、反ワクチンやワクチンと自閉症を結び付ける陰謀論を信じているロバート・ケネディ・ジュニア保健福祉省(HHS)長官は、承認されるのが不思議な人物だ。ワイルズはそのような人を〈現状を変えることができる人物〉として評価しているようだ。

 トランプが脱線しそうになると、それを戻すのがワイルズの重要な役割だ。政治に特化したニュースメディア・ポリティコは〈ワイルズはトランプの機能不全に陥った「political universe(政治の世界)」を組織的なものに変えた〉と高く評している。トランプが唯一頭の上がらない人物が、ワイルズかもしれない。

 トランプの最側近であるワイルズと強固な信頼関係を結ぶことができるか否か─。日本政府にとって重要な〝宿題〟になるだろう。

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Wedge 2025年5月号より
やっぱ好きやねん! 大阪 自由都市を支える〝民の力〟
やっぱ好きやねん! 大阪 自由都市を支える〝民の力〟

いよいよ開幕する「大阪・関西万博2025」。大阪での万博の開催は、1970年以来、実に55年ぶりとなる。この間、東京一極集中が続き、日本の停滞とともに勢いが失われていった。そんな大阪を盛り上げようとする「熱気」や「動き」がいま、まちのあちこちで生まれている。支えているのは、大阪独自の〝民の力〟やそれらを受け入れる〝自由さ〟だ。大阪の隆盛に奮闘している人々の想いから、日本の第二都市であり、自由都市であるこれからの大阪のあり方を考えたい。


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