「ただ、そこでは夏場40度にもなるような場所にビールが保管されており、店主に何度訴えても改善されませんでした。これでは、造り手と飲み手を幸せにすることはできないと思い、ビールを評価する『ビアジャッジ』の資格を女性最年少で取得して、起業することにしました。自分で流通を変えるしかないと思ったんです」
どの街にも気軽に立ち寄れるビールスポットを
その後、谷さんのこだわりである「造り手が売りたい味」を届けることに協力してくれる輸入卸企業をみつけた。そして12年、クラフトビールに特化した酒屋兼ビアカフェ「CRAFT BEER BASE」をオープン。18年からビール醸造設備を導入しクラフトビールの試作を始めた。
「ブルワー(醸造元)には、サーバー(売り手)側はモノが言えない。『造っていないくせに文句を言うな』という風潮が強いように思います。これも変えていきたいですね」
谷さんは「大阪でクラフトビールが文化として定着して、どこの街でも、どの駅でも思い立ったら立ち寄れるビールスポットがすぐに見つけられたらどんなに嬉しいか、素敵なことか」と、創業当初から「OSAKA CRAFT BEER MAP」を作成している。どこまでも深い〝ビール愛〟で、大阪のクラフトビールをけん引しているのだ。
