ベッセントは米国の対中政策は中国を孤立させることが目的だと述べているが、それは非現実的だ。中国孤立化は達成可能な目標のようには思えない。フレンズ・ショアリングの方が余程現実的だ。
そのようにして、中国と競争していくべきだ。社説がトランプのTPP離脱を批判し、日本製鉄によるUSスチール買収への米国の対応を批判するのは、当然で、良い指摘だ。
社説が「トランプ、ベッセントが中国に何を望むのか、その達成のために如何なる戦略を取るのかは明確でない」と指摘しているのも重要だ。もっと具体的に要求していかねば、交渉にならない。
トランプ狂騒第二幕
4月2日の相互関税発表から9日の90日適用停止までの混乱をトランプの関税狂騒第一幕とすれば、11日から14日にかけてトランプ狂騒第二幕があった。
4月11日夜、関税当局がスマホ、半導体等電子機器の課税例外を公表した。スマホ価格の大幅上昇などの前に、トランプは正気を少し取り戻したかと思われた。しかし4月14日、ラトニック商務長官は、電子機器には今後特別の関税を検討するなどと要領を得ない発言をする。
14日遅く、トランプが割って入り、中国をフックから外すことはない、電子機器関税の例外はあり得ないと覆した。しかし、トランプ関税はこれから次々と例外を認めなければならない(あるいは関係国と拙速な交渉をして、重要品目への相互関税等の骨抜きを図る)運命にあるのかもしれない。トランプこそ焦っているのかもしれない。