日本の漁業は崖っぷち

2014年4月15日

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 「環境の変化」がその原因の一つであることは否定しませんが、水揚げ量が増えている世界と比較すると、「なぜ日本だけが、温暖化や環境の影響を受けるのか?」という疑問がわいてくるのではないでしょうか? 厳格な資源管理がなされているという世界の常識に目を向けて、この問題に正々堂々と立ち向かわねばなりません。

 世界銀行が、2030年の世界全体の水揚数量を予想した興味深い数字があります。世界全体で、2010年の1億5113万トンに対し、23.6%増の1億8684万トンとなっているのです。世界全体での水揚げ数量は増加予想です。中国、インドと国名やそれぞれの海域ごとに2030年の数字が並びます。ところが、一行だけマイナス9%、つまり2030年時点で減少している箇所があるのです。それは、「JAP」、つまり他ならぬ、わが国日本というわけです。 

 日本の資源管理はうまく言っていると自画自賛しても、これが日本の漁業に対する世界の見方なのです。また2014年現在の状況も含め、残念ながら水揚げ数量も、肝心の水揚げ金額も落ちこみ傾向は明確で、日本の資源管理に問題がないとは言えないはずです。これ以上問題を先送りすれば、さらに漁業者を苦しめ、コミュニティを衰退させ続けることになります。

 環境が変わって、魚が獲れなくなったという理由はよく聞きます。確かに磯焼け、藻場の荒廃、海水温度の上昇等、様々な、魚が生きて行くためのマイナス要因もあると思います。しかし、前述のように世界で日本だけが環境の影響を受けているとは考えられません。何故、20年後の予想は、日本だけが将来の漁獲数量が減って、世界全体では約2割も大幅に増えて行くと予想されているのでしょうか?

「井の中の蛙大海を知らず」

 ここで、国際的な視点が必要になります。漁業先進国の方々が異口同音に唱える言葉があります。それは「現在の個別割当制度(IQ、ITQ,IVQ)を始める際には、漁業者から我が国は、他の国と事情が異なり特別だと反対があったが、今では反対しない」ということです。水揚げ金額が増えて、資源が持続的になり、漁業者が豊かになって、若い後継者がいる……。

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