優勝した年くらい、有頂天にさせてくれよ。
というわけで多くの「残酷」を学ばせていただきました、と。
長嶋さんが本を読まなかった衝撃の理由、脳裏にはっきり残るエピソード
最後に長嶋さんから学んだことに触れておけば、それもなかなか「残酷」だ。
いつのことかもう覚えていないが、長嶋さんは「目が悪くなるのが嫌だからと本を読まなかった」とテレビで紹介されていた。
それを最初に訊いたときの感想は、「え、偉い人だなあ……」。
いま検索しても出てこないエピソードだが、筆者の脳裏にはくっきり焼きついた。当時、中学受験の末席をうろちょろしていたからなおさらだ。
筆者は、無謀にも「勉強しなさい」という母親に向かって、この長嶋理論をぶつけてみた。
母は、息子の真意を探るように振り返ると、ほんの一瞬、目に怒りの光を宿した。が、なぜかすぐにふと目を反らした。
このとき母が呑み込んだ言葉に「残酷」な内容が含まれていたことは、幼心にもよく伝わってきた。
