2025年12月6日(土)

Wedge REPORT

2025年7月15日

 リング活用の議論は6月23日の万博協会理事会でようやく決着し、1周の一部をカットして現在と同じように人が上がれる形で保存する方針となった。事業者を公募する大阪府市は「展望台」としての活用を促すとしているが、財源などの議論は先送りされている。リングが今回の万博の計画性のなさを象徴し、後世に伝え続けるレガシーにもなりかねない。

コンテンツの魅力を支える運営を

 「書き入れ時」の夏休みシーズンを迎え、万博は酷暑の中で多くの来場者を迎えることになる。開催による赤字を避け、黒字をしっかりと確保するためには、来場者の暑さ対策はもちろん、安心・安全で過ごせるための施策を打ち、リピーターや新規客を獲得することが重要となる。

会場は雨をしのげる場所が少なく、降雨時は来場者が大屋根リングの下に集まる。今後の猛暑にも対応が必要だ

 幸い、各種の調査では、実際に会場を訪れた人の万博の満足度は高いとの結果が出ている。運営に難はあってもコンテンツ自体は魅力が高いとも読み取れる。これまで万博協会の問題やトラブルへの対応は後手に回ることが多かったが、より多くの集客が実現できるよう、「来場者目線」に立った積極的な施策に期待したい。

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