武器輸出の規模は統計により異なるが、トップ5は米露仏独中で変わらない。この一角に地歩を得ることができれば、韓国は国際社会で大きな発言力と存在感を得ることができる。
韓国の防衛産業は、10年代は年平均30億ドル規模で推移していたが、20年代に入ると72億ドル(21年)、173億ドル(22年)、140億ドル(23年)と躍進を続け、24年には200億ドルを突破するとみられるようにまで成長した。
「K防衛産業を国家代表産業として育成」を公約に掲げていた李大統領は、キャッチコピーの「実用主義」どおり、文在寅・尹錫悦両大統領の成果をも吸収するかのようだ。実際、李大統領は6月中旬、初めての外遊としてカナダで開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)に出席したが、この際、カナダのマーク・カーニー首相と潜水艦導入事業について議論したように、K防衛産業売り込みのためのトップセールスに注力している。
最後に蛇足だが、7月8日が防衛産業の日となったのには日本が関係している。秀吉の朝鮮出兵(文禄の役)最中の1592年7月8日、朝鮮半島南部で起こった泗川海戦で、李舜臣将軍が「亀甲船」を初めて投入したという逸話に基づいている。国民のアンケート投票で、防衛産業発展法制定日などを大きく抑えて選定された。なんとも韓国らしい話ではないか。
K2戦車のポーランド2次輸出は65億ドル規模と判明
先週「韓国軍のK2戦車がヨーロッパの主力戦車に!ポーランドがアメリカやドイツ製から切り替えた理由」でお伝えしたK2戦車のポーランドへの2次輸出について、8日付紙面に「K2戦車ポーランド輸出2次契約の経過と意味」と題する記事が掲載された。それによると契約額は65億ドル前後(約8兆8000億ウォン/約9576億円)に上り、単一の兵器契約としては過去最高額になるという。
22年7月、ポーランドのワルシャワで現代ロテム社とポーランド軍備庁がK2戦車1000両などの調達に関するフレームワーク契約を結び、K2戦車は1次履行契約180両のうち84両が昨年までに輸出された。2次履行契約では完成品の輸出と現地生産が並行して行われるが、現代ロテムが60%ほどを韓国で生産するという。韓国で生産されるのは、韓国軍向けK2戦車にポーランドが要求した最小限の設計変更を施したK2GF(ギャップフィラー)で、ポーランド軍備庁がK2戦車ポーランド型(K2PL)を現地で生産するとみられる。
防衛事業庁関係者は「相手国が希望するオーダーメード型の改良と現地生産が結びついた輸出契約は、個別の国家はもちろん、北大西洋条約機構(NATO)に対する新たな輸出モメンタムになり得る」と誇らしげにコメントしている。
