25%の関税対象のマレーシアは会合でトランプの脅しを間接的に批判した。アンワル首相は開会スピーチで、関税、輸出制限等が地政学的ライバル関係の道具になっていると述べた。
ブルッキングスのクアン曰く、東南アジア諸国が米国に期待するのは、地域の平和と繁栄を実現してきた安全保障コミットに加え、関税攻撃に代わる真の経済的協働のための対応で、効果的対中政策を目指すならばトランプ政権の政策は逆効果だ。中国は関税による地域の動揺を利用し中国を信頼できるパートナーとして売り込んでいる。王は、ASEAN 外相に対して、中国はこの地域とAI、デジタル・インフラ等の分野で一層協働したいと述べた。
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米国内で出てきた関税の影響
米中はお互い「大国」としての共通意識を持つのみならず、教育面で草の根の紐帯を有している。今回のトランプによる米国大学からの留学生排除は看過できないが、共産党幹部子弟が米国大学に在学し、多くの米国人の友人を得てきたのは周知の事実だ。表面的な対立に目を奪われこれを見失うと米中関係の行方の判断を誤るだろう。
米中首脳会談が本年中に行われるというのは、常識的推測だろう。それでは、なぜ米国は現在を会談の好機だと考えているのか。それは、トランプ関税が持続可能でないことを米国がよく分かっているからではないか。
今月初めに発表された非農業部門雇用者数は、予想を上回る14.7万人増で米国経済の底堅さを示したと見る向きもあるが、その約半分が政府部門の雇用増で、民間部門の増加数は昨年10月以降最低水準だとの報道もある。6月の消費者物価指数は前年同期比で2.7%の上昇である。上昇幅が2%台後半になったのは4カ月振りだ。そろそろ、関税の物価・雇用への影響が表れてきているのではないか。
これらのことは2026 年中間選挙での勝利に悪影響を与える可能性がある。となると、中国との取引はある程度早いに越したことは無い。
