2024年11月25日(月)

社食に企業の想いあり

2014年5月16日

 「ビルの高層階にあって眺めが良ければ、それだけでいい雰囲気になります。でも私たちの社員食堂は地下。窓がなくて暗い。いかに地下ということを感じさせないかに試行錯誤しました」(ショッピングカンパニー 武井直子さん)

 確かに窓はないが、この“ハンデ”を補うのが天井の高さ。食堂内に大きな階段を設け、その上に座敷スペースを作るなど高低差を利用した設計のためか、開放感が感じられる。球形の木のモチーフで囲まれたスペース「HANARE」には旅館の一角のような落ち着いた風情すらある。

社員が集うBASEから
どんな景色が見えるのか

 ヤフーならではと感じる部分はいくつもあったが、まずは入口。ランチで食堂を利用する際は必ず予約が必要で、QRコードの認証はスマホで行う。

 また、食堂内には、背景にミッドタウンからの眺めが映るモニターが複数設置されていた。「窓がない食堂なので、せめて外を眺める雰囲気だけでも」という思いがあったといい、ミッドタウンからの眺めと一緒に表示されていたのは「今、一番検索されているキーワード」や「ツイート数が多いもの」、さらに「ツイートの感情分析」も。このときは「春一番」という言葉が1分あたり平均で8.9回ツイートされていたということがモニターから分かった。食堂内は窮屈な感じはしないが、照明の雰囲気などから、なんとなく外の世界から「守られている」スペースであるかのような独特の雰囲気がある。個人的な感覚だが、モニターに表示されるこの情報を見ていると、どこか別の世界から「今、世間で起こっていること」を眺めているような気がした。情報とは今いる場所とは違う場所の景色を見せるもの。そういう意味で、このモニターは本当に「窓」の役目を果たしている。

食堂内に複数設置されているモニター。様々な情報が発信されている

 そして、社食の取り組みとして最も話題となっているのが業績連動型であることだ。リリースでは「具体的には、前四半期の全社利益目標を達成すれば、次の四半期のランチ料金が月に4回まで無料になる仕組み」「もし未達成だった場合、ランチは1食540円(税込)ですが、会社が負担する130円を差し引いた410円(税込)が社員負担となります」と説明されていた。今年4月末まではいったん無料、5月から正式にこの仕組みがスタートし、5~7月はみごと無料。


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