2025年12月5日(金)

日本の医療は誰のものか

2025年8月29日

 Q6 これまでのデータ分析を踏まえ、私たちは日本の医療を
どのようにして持続可能なものにしていくべきでしょうか。

A6 日本では、医療は「医療提供側」が責任を持つべきものという考えが根強いといえます。例えば、地域の市民病院が統廃合されるとなれば、近隣住民は大騒ぎになります。これまで当たり前のようにあったものがなくなる不安は、住民感情として理解できます。しかし、感情のぶつけ合いでは解決しません。

 病院の集約化は、医師・看護師など医療従事者の集約化につながり、その結果、医療の質が高まることが期待できます。自宅から少し遠くなってしまったとしてもアクセスの良さより医療の質を優先するという考え方もあるのではないでしょうか。まずは、データに基づいた建設的な議論を、住民を巻き込んでできるような土壌づくりから始めるべきでしょう。

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Wedge 2025年9月号より
日本の医療は誰のものか
日本の医療は誰のものか

日本の医療が崩壊の危機に瀕している。国民皆保険制度により私たちは「いつでも、誰でも、どこでも」安心して医療を受けることができるようになった。一方、全国各地で医師の偏在が起こり、経営状況の悪化から病院の統廃合が進むなど、従来通りの医療提供体制を持続させることが困難な時代になりつつある。日本の医療は誰のものか─。今こそ、真剣に考えたい。


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