2025年12月6日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2025年10月10日

 トランプ政権が中国との貿易協定の締結を目指し、さらには秋の習近平との首脳会談を念頭に、台湾への武器供与のあり方を調整しようとしているのであれば、懸念すべき動きである。

 台湾の地位の問題は長期的視点から戦略的に取り組むべき問題であり、米中貿易協定の締結や習近平との首脳会談を成功裏に行うという短期的で戦術的な考慮と結び付けられるべき問題ではない。トランプには戦略よりも戦術を重視する傾向があるので、心配である。

 この解説記事は、台湾への武器供与政策について転換の予兆を指摘する一方、それが最終的な決定になっているわけではないとしている。

日本も積極的に協議を

 日本としては、台湾をめぐる情勢には強い関心を持っていることを米国に伝達し、日米間での協議を緊密にするように努力すべきであると思われる。

 トランプの考え方は、国連での演説にも見られるように、国際協調主義からは程遠く、かつ気候変動という明らかな事実を詐欺的主張と述べるなど突拍子もないものであり、多くの点で我が国が支持できないものである。しかし米国は我が国の唯一のかけがえのない同盟国であることに変わりはない。率直にしかし丁寧に、米国と政策協議をしていく以外にないと思われる。

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