さらにザカリアがここで指摘しているように、技術の分野で中国の進展ぶりは目覚ましいものがある。中国が産業用ロボットの現場での活用で日米を大きく凌駕するに至っていると考えられる。
本年、中国は人型ロボットのオリンピックを北京で開催したが、引き続き来年も北京で開催することを決め、さらなる人型ロボットの開発に力を入れると考えられる。これらが様々な現場で平和利用されることは望ましいが、安易に軍事利用や悪徳利用されることは懸念される。
技術や科学的知見をどう利用するか
トランプ政権が、気候変動問題でも、ワクチンの問題でも科学的知見を軽視していることは強く懸念される。科学的知見を伸ばしていくうえで不可欠な大学の役割に対しても、トランプ政権は基礎研究を軽視し、ハーバード大学など最良の大学に喧嘩を仕掛けている点も問題である。
中国のような 一党独裁国家が支配的である世界は、人権を尊重しない世界であり、結局は人々の幸せにつながらないと考えられるので、ここでザカリアが指摘している危機感を重く受け止めることが必要であると考える。
汎用人工知能の開発に力を入れるよりも今のAIを利用し、経済の成長につなげる中国式のやり方は、日本の経済発展のためにも参考にすべき点が多いと思われる。特に日本は少子化傾向がここしばらく続くので、なおさらである。
