ふたつのマーケティングの成功
「仮面ライダーシリーズ」とともに、若手俳優の登竜門といわれる「スーパー戦隊シリーズ」からは、松坂桃李や山田祐貴、横浜流星ら、いまや若手俳優のトップクラスが出演していた。女優陣では、中川翔子らも。
子どもと一緒にママやパパも観る。
かつて、日本のマクドナルドの第1号店は、藤田田によって1971年に銀座三越に開店した。記者会見で「日本人がアメリカのハンバーガーを食べるとは思えないが?」と、聞かれると、藤田の得意のジョークがある。
「ハンバーガーを大人に食べてもらわなくてもいい。子どもが食べてくれれば、その子が大人になっても食べてくれるので、ハンバーガーの需要は増えていく」と。
藤田のジョークにならっていえば、「スーパー戦隊シリーズ」はふたつのマーケティングの成功を収めた。
ひとつは、起用された若手俳優たちである。子どもはもちろん、一緒にみていたママもパパも、彼らと彼女を応援したくなったはずである。番組が50年続いていることは、子どもたちとともに観ていた大人も60から80代になっても不思議ではない。
大ヒット上映中の映画『国宝』の主人公のひとりである、「スーパー戦隊シリーズ」に出演した横浜流星は、大人の観客を映画館に導いた可能性もある。
もうひとつのマーケティングの成功は、バンダイナムコとの玩具のコラボである。大量生産のフィギアのほかに、レアモノのフィギアは、注文生産つまり受注を受けてから中国などで生産されていることはあまり知られていない。
「スーパー戦隊シリーズ」は、世界の約80ヵ国で放映されている。ハンバーガーのマクドナルドを髣髴(ほうふつ)とさせるではないか。
