2025年12月8日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2025年12月8日

 中国は 高市首相を総理の座から引きずり下ろすことを狙っていると判断して間違いではない。日本国民が民主主義的な手続きを経て選んだ総理に辞任を求めるような中国の攻撃は内政干渉であり、日本国民はこういう中国に対しては強い拒否を党派を超えて示して行くべきであると思われる。

 中国は日本軍国主義の再興の恐れも主張しているが、的外れである。日本国憲法の定める平和主義が厳しい国際環境の中で日本の安全保障に十分であるか否かは議論されるべき問題と考えるが、憲法改正は政治的にはかなりの難事である。軍国主義再興の恐れなどない。

 中国はさらに国連憲章の旧敵国条項を引用し、中国は安保理の許可なく日本に武力攻撃をできるかのような言辞を弄しているが、これも全くの誤りである。1995年の国連総会決議で、旧敵国条項は死文化したとされている。形式的に削除のための手続きがなされていないだけである。

 国連憲章第2条4項は加盟国に武力の行使とともに武力による威嚇も禁止している。中国の発言は憲章違反である。

対日圧力に成果を挙げさせるな

 中国が打ち出している日本の水産物輸入規制や日本への中国人旅行の自粛要請に対しては、それに見合うと思われる対抗措置を取るのが適切であると考える。観光旅行客については台湾が日本への旅行を推奨してくれているし、水産物の販路の拡大のための諸措置もとっていくべきではないかと考える。

 中国が行ってくる理不尽な措置に対しては国難と認識し、党派を超えて協力していくべきであり、中国の対日圧力は何の成果も挙げないことを示していくべきである。中国に歩調を合わせ、政府攻撃をするような政治勢力は強い非難に値すると考える。

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