では、「自分に引き寄せる」とはどういうことなのでしょうか?
それには、子どもの学び方を知っておく必要があります。
幼児期に必要なのは身体感覚
子どもは自分の経験したことが身体感覚として残り、その経験と知識をつなぎ合わせることで理解を深めていきます。
例えば、真夏の公園のベンチに座ろうとしたら、木製の座面は抵抗なく座れたのに、鉄製の背もたれに背中が触れた瞬間「熱っ!」と飛び上がってしまった、なんて経験をしたとしましょう。そのときは、「あ〜、びっくりした!」で終わるかもしれないし、「えっ? いまのはいったいなんだったの?」と不思議に思うかもしれない。なぜそのようなことが起きたのかよくわからなかったけれど、とにかく熱くて驚いたという記憶だけが残った。これが身体感覚です。
やがて、小学生になり、学校でさまざまなことを学ぶようになります。すると、理科の授業で熱の伝わり方を学んだときに、ふっと「ああ、あのとき木製の椅子には座れたけど、鉄製の背もたれがびっくりするほど熱かったのは、素材によって熱の伝わり方が変わるからなんだな」と自分自身の体験を思い出し、そのときの謎がスッと解明されることがあります。
この「ああ、あのときのアレか!」と、自分の経験と新しい知識がピタリとつながる瞬間が多い子ほど、「勉強は楽しい!」と思えるようになります。さらに、自分自身の経験とリンクしているので、自分の知識として頭に残りやすく、そうそう簡単に忘れることはありません。
つまり、幼児期にどれだけたくさんの身体感覚を得てきたかによって、その後の勉強に対する感じ方や理解の度合いが変わってくるということです。
幼児や低学年の子どもの生活の中心は「遊び」です。
わが子の将来の幸せを願って、早い時期からとりあえず「良さそう」なものにあれこれ手を出して、1週間のスケジュールを勉強や習い事などで埋め尽くしてしまっているご家庭は少なくありませんが、幼児期にいちばん大事なのは「遊び」! これは、いつの時代も変わることはない、と私たちは考えています。
遊びだけではありません。家のお手伝いをさせるのもいいですし、親子の会話を楽しむのでもいいでしょう。なにか特別なことをやらせなくても、これらの生活のすべてが学びにつながっていきます。
見たり、聞いたり、触ったり、味わったり、「生活のなかで感じたさまざまなこと」に、学校や塾で習った「新しい知識」が加わると、「なるほど! そういうことだったのか!」「ああ、あのときの感覚がコレなのか!」という驚きと感動を味わえます。これが「おもしろくない」という子はまずいません。むしろ、新しい知識に出会うたびに、たくさんの驚きと感動を味わえるのですから、勉強が楽しくなるのは自然なこと。
そして、もっといろいろなことが知りたくなる。このサイクルができあがると、自分で勉強をする子になります。
「頭のいい子」が勉強は楽しいと思えるのは、こうした「学びのサイクル」ができているからなのです。

