GP診療所でのトリアージ
上記の自分で行うトリアージの結果、GP診療所へ電話、オンライン、または窓口(対面)で市民がアクセスする場合には、まずGP診療所の受付担当者(Receptionist)がトリアージを行う。これは、診断ではなく、標準化された質問で情報収集をして、「GP診療所への通常予約か緊急予約か、または救急外来や救急車要請か」そして「どの専門職が対応すべきか」を判断して振り分ける。必要に応じて、看護師やGPがトリアージを助ける。
通常予約(Routine appointments)は、緊急性が低いが継続的・計画的な対応が必要な問題で、数日〜数週間待っても安全と判断されるケースであり、下記のような例がある。
① 慢性疾患の定期フォロー:高血圧、糖尿病、喘息、COPD、甲状腺疾患、脂質異常症など
② 症状が軽度・安定している問題:数週間続くが悪化していない腰痛や肩こり、軽い皮疹、湿疹、にきびなど
③ 緊急性のない精神的・心理的問題:軽〜中等度の不安、抑うつ症状、睡眠障害の相談など
④ 予防・計画的ケア:健康診断、血液検査結果の説明、ワクチン接種、禁煙相談など
⑤ その他:処方薬の見直し・定期処方、生活習慣の相談(体重・食事・運動)など
緊急予約(Urgent appointments)は、当日または24時間以内の評価が必要だが救急外来や救急車を利用するほどではないケースであり、下記のような例がある。
① 急性発症・急速に悪化する症状:高熱(特に乳幼児・高齢者)、強い喉の痛みや嚥下困難
② 感染症の疑い:咳・息切れ(肺炎疑い)、発熱・排尿痛(尿路感染症疑い)
③ 急な痛み:急性腹痛(虫垂炎疑い・安定)、急な強い頭痛(危険兆候認めず)
④ 既往疾患の急な増悪:喘息発作の初期、心不全の息切れ悪化(意識清明・安定)
⑤ 軽度の外傷:感染兆候のある創傷、転倒後の強い痛み(歩行可能)
産科ケアの問題
「先生、それで産科ケアの方はどうですか? T.B.が向こうでお産でもすることになったら心配です」
「心配なんですね。それについても調べました。『毎年3万人の女性が出産後にPTSDを発症している』とあるけれど、それは記事が根拠にしたと思われる24年に発表された英国超党派議員連盟の報告書にある、17年に発表された研究諭文のデータを使っていると思います。ヨーロッパを中心に23カ国のデータを集めて推計した出産後PTSDの年間発生率4.0%と英国の出生数で計算したと思われる数字なので、出産後PTSDが英国で他国と比較して多いとは言えません。新聞としてはちょっと誤解を生む書き方ですね。
ちなみに22年に発表された同様の研究では、出産後PTSDの年間発生率は母親で4.7%、父親で1.2%という結果でした。割合は少ないけれど、家庭医としてはお産での父親のケアも必要ですね。気になったんですが、国際比較できる日本のデータは見つけることができませんでした」
「案ずるより産むが易し(笑)」
「え、ちょっと違うように思うけど(笑)。GP診療所のチームにメンタルのサポートもお願いするのが良いでしょう」
