2026年2月9日(月)

World Energy Watch

2026年2月9日

 円貨に換算すると46円。日本の電気料金は用途により異なるが20円から30円程度だ。この価格には消費者に電気を送るための送配電の費用も含まれている。

 英国より風況が劣る伊豆諸島で浮体式洋上風力設備を導入すれば、英国よりも高くなる。その電気を消費地の東京に送るには送電線の新設が必要だ。いったい消費者に届く時の電気はいくらになるのか。

 その設備を導入して削減される二酸化炭素は何トンなのか。温暖化対策ならば、省エネ、節電などに資金を投入すれば効果ははるかに高いだろう。

 なんのために、こんな高コストの発電設備を導入するのだろうか。負担するのは消費者だ。観光資源としての活用策には呆れるしかない。そんな副次効果に期待し多額の税金を使うのだろうか。

税金の使い道として正しいのか

 26年度(令和8年度)の東京都予算案は、「大都市東京の強みを遺憾なく発揮し、明るい未来を実現する予算」と銘打たれている。洋上風力事業は、再生可能エネルギーの基幹エネルギー化、予算額273億円の中に含まれており、27億円が割り当てられている。

 目的は、「伊豆諸島海域において、2035年までに浮体式洋上風力のギガワット級ファームの導入を目指し、促進区域指定や事業者公募に先んじて、風況調査、送電系統の調査等を行い、事業の予見性を高めることに加え、地元住民の理解醸成のための取組を進めるなど、取組を加速化」とあるが、温暖化問題解決にはまったくと言っていいほどの寄与しないごくわずかの二酸化炭素が減ることで都民に何のメリットがあるのだろうか。

 25年度(7年度)にはなかったデータセンター関係の予算も基幹エネルギーのところに新設された。「環境に配慮したデータセンターの整備を促進するため、データセンターの効率性及び再エネ利用などを認定するとともに、事業者に対してデータセンターの高効率化に資する設備等の導入補助を実施」とあり、総予算額は96億円だ。

 東京都が取り組む必要があるとは思えない水素支援社会実装化の予算も25年度(7年度)より5億円増え165億円になった(【拝啓 小池知事、東京都の水素市場は税金と人材の無駄使いですよ】今、すべきは水素コストの削減  Wedge ONLINE)。

 都民のメリットが見えない事業に数百億円の税金がつぎ込まれている。一般会計歳出総額9兆6530億円の予算規模からすれば、小さい額かもしれないが、1400万都民1人当たりにすれば、数千円の額が使われる。

 小池知事が温暖化問題に関心を持つのは自由だが、費用対効果が低いメリットの見えない事業に税をつぎ込むのはやめて欲しい。

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