2026年2月16日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年2月16日

 今時珍しい前向きな評価で、歓迎されるべきことだ。しかし、社説は「自己満足は禁物だ」として、①国内での構造改革(労働力の技能強化や社会的セーフティーネットの改善)と、②貿易・投資の開放性と競争力の強化を図っていくべきだと述べる。特に、社説が「政府は、新たな市場との貿易・投資関係を深めるとともに、域内の関係も強化すべきだ」、「東南アジアの経験は、貿易障壁が高まる中でも、開放性と競争力が成長の源泉であることを示している」と述べることは的確だ。

 トランプが何と言おうと、これらのことは真実だと思う。むしろ、トランプには、これらの言葉と過去1年の東南アジアの経験例を良く勉強して欲しいものだ。

 これを見て思うのは、やはりダイナミックで、成長する経済を築くことが日本等についても非常に重要なことだ。古い、競争力の落ちた産業の保護をしていてはだめだ。

 成長していれば新たな発展への強靭力や適応力も大きくなる。危機に強い経済は、成長するダイナミックな経済だろう。

貿易黒字を増やす中国

 25年、中国はトランプ関税等の影響を受けて対米貿易は減少した。しかし、減少分を第三国との貿易で補った。25年の中国の対米輸出は、対米貿易額ベースでは前年比で約2割(18.2%)減少した。

 他方、特にASEAN(13.4%増)、欧州連合(EU)(8.4%増)、インド(12.8%増)への輸出が増加し、アフリカや中南米といった新興市場へのシフトも見られたという。さらに、中国企業は、米国市場へのアクセスを維持するために、第三国を経由して輸出する戦略を強化しているとみられている(ベトナム、マレーシア、メキシコ等を通じて)。

 昨年、中国のモノの貿易黒字は初めて1兆ドルを超えた。中国税関の1月14日の統計によると、25年の貿易総額は「前年比3.2%増の6兆3548億ドル、うち輸出は5.5%増の3兆7719億ドル、輸入は横ばい(0.0%)の2兆5829億ドル」となった。

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