2026年2月17日(火)

都市vs地方 

2026年2月17日

 図1と2を比べると、食品消費パターンの地域差そのものの低下は、価格の地域差の低下と対応しているようであるが、距離の影響は対応していないように見える。全体として消費パターンも価格も違いが小さくなった一方で、価格差は遠いほど異なる傾向が続いているのに、消費パターンは遠いか近いかはあまり関係なくなっている。

 きちんとした結論を得るためには、ここからさらに個人の好みを推定せねばならないため、あくまでも暫定的な判断にとどめる必要があるが、地域による食品消費行動が均質化しているようにみえる。

地域文化の均質化がもたらすもの

 こうした地域の文化の均質化は、地域経済に対して潜在的にいくつかの意味をもつ。まず、文化の違いが地域間人口移動を妨げる要因となりうるため、均質化は移動を促進する可能性がある。

 地元の文化が好きで地方に留まっていた人が文化の均質化により移動するようになり、所得や就業機会に恵まれる大都市の吸引力が上がる可能性である。その一方で、大都市の文化にあこがれて移動する人が減る可能性もある。地方でも大都市と似たような文化に接することができるようになって、わざわざ移動する必要を感じなくなるということである。

 どのような動機で移動している人が多いのかにより、どの可能性が顕在化するかは異なるが、現状では都道府県間の人口移動の主要な動機が仕事関係であることに鑑みると、前者が顕在化するように思われる。その場合、所得獲得機会や就業機会を活かせるようになり、生産性や効率性を改善させる効果が期待される。

 しかし、その裏で地域文化の多様性が失われることをどう評価するかは極めて難しい。心情面で寂しいというだけでなく、多様性が新たな知見やイノベーションを生む源泉になることも指摘されており、それが失われることもありうる。

 文化は身近なものであり、人々の興味を引くため、エンタメや政治的スローガンに使われやすいが、実効性のある議論を行うためには、その意義をきちんと精査することが必要であろう。

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