子供へのリーダーシップ教育とは?
ここまで文科省の理念は先行しているが、実装と評価が追いついていない点を中心に見てきたが、経営者が最も必要としていた「リーダーシップ」は、学習指導要領で明確な記述がない。「育成すべき資質・能力」の三本柱の一つの“学びに向かう力・人間性等”がそれに近いのかもしれない。
大人のリーダーシップ教育のアプローチはそのままでは子供にはフィットしないと思われるので、子供へのリーダーシップ教育の研究は官民で取り組むべきテーマであろう。これまでの研究と経営者との会話から子供へのリーダーシップ教育で重要なのは経営者が実務の中で身につけてきた基盤的能力である下記の4つではないかとの仮説を持っている:①変化を前提に正解のない中で、問いを立てる力、②テクノロジーを道具として使いこなす構え、③異なる価値観を翻訳しながら意思決定する力、④不確実な状況で責任を引き受ける態度。
ニセコ会議が照らし出した本質的な問い
ニセコ会議が突きつけている問いは、「教育内容をどう変えるか」ではなく、「教育という巨大な制度を、変化し続ける社会の中でどう更新可能に保つか」という点にあるということである。教育とビジネスを分断したままでは次世代は育たない。学校教育は「社会に出る準備」ではなく、すでに社会と接続した場として再設計される必要がある。
ニセコ会議は、経営者の未来不安を共有する場であると同時に、日本の教育がどこで時代とズレ始めているのかを静かに照らし出す鏡でもある。その示唆を、教育の側がどこまで本気で受け止め、制度と実践に翻訳できるか。そこに、これからの日本の子どもたちの行方がかかっている。
