2026年3月3日(火)

インドから見た世界のリアル

2026年3月3日

日本もすべき対応

 このようなインドのイスラエルに対する外交をみてみると、日本の外交にもいくつか検討課題があることがわかる。まず、イスラエルは、アメリカやインドからの強固な支援を固め、自国の影響力拡大へと進みつつある。

 それは、日本も、同盟国や友好国との関係は、多少の問題があったとしても、長期安定的で、強固であるべきことを示している。長期的に安定していれば、その内、流れがこちらに向いてきたときに、いつでも動けるからだ。

 日本にとっては、長期安定的で、強固であるべき関係は、まずアメリカとの関係であろう。アメリカの外交は、バイデン政権とトランプ政権とで、外交戦術が大きく違うように見えるが、それでもぶれずに、日本はアメリカを支持し続けるべきである。

日本にとって、米国との関係は重要だ(首相官邸HPより)

 その上で、インドやイスラエルなど、次第に影響力を増しつつあるアメリカの同盟国・友好国との関係も、長期的に強化していくことは検討課題である。すでに半導体やAIといった技術協力では日本も両国と同じパックス・シリカ構想として協力することが決まっているわけであるが、今後、武器の技術の分野などへ協力を進めることが考えられる。

 日本とインドは、すでに無人車両の共同開発を完了し、海軍艦艇の通信アンテナ「ユニコーン」の共同開発・生産も合意した。今後、さらに拡大することが見込まれる。

 その際に、日本とインドの協力に、イスラエルをかかわらせる形は、あり得る。例えば、インドは潜水艦を求めているが、日本は潜水艦のシステムの一部が機微で、情報が漏れることを気にしている。この場合、例えば、日本にとって機微な部品は、イスラエル製に切り替えて、新しいインド向けの製品を作れないか、検討してみてはどうだろうか。またドローンなども、インドがイスラエル製ドローンを使っているから、日本としても関与して技術を得たいところだ。

 イスラエルは、実戦経験に基づく武器をつくることができるだけでなく、インドへの武器の販売で多くの実績があり、売り方を知っている。また、自らが戦争で武器を必要としている中でも、インドや最近ではウクライナへも武器の供給を時間通り行っていると定評がある。

 日本としては、実戦時のノウハウ、インドへの武器の売り方、戦時でも武器を安定供給する方法など、他では得られない多くのノウハウを持っている。しかも、トランプ政権の親イスラエル的姿勢も相まって、日本にとっても、アメリカとの関係にも貢献するから、重要性を増していくだろう。日本では、メディアの報道もあって、イスラエル嫌いの人が非常に多いが、これは日本の国益に資する検討課題と思われる。

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