今年2月、米当局者が相次いで、中国は隠密裏に核実験を実施していると指摘した。例えば、2月6日、国務省のディナノ国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)は、ジュネーブにおいて、「中国は、数百トンの核出力を見込んだ核爆発実験を行っている。人民解放軍は、デカップリングという手法を用いて核爆発を隠蔽しようとした」と述べた。また、昨年、トランプ大統領は、中露と「同等の立場で」核実験を再開するように政府に対して指示している。
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ここでは、①米国として、中国がどのような「核実験」を行ったと見ているのか、②中国の狙いは何か、③米国の対応として考えられるのはどのようなものか、の諸点について指摘したい。
中国はデカップリングで隠蔽か
第一に、米国としては、中国が「デカップリング」という手法(地下空洞の中で核爆発装置を起爆することで地震波を軽減する手法)で核実験の隠蔽を図ってきたとの見方をしている。そして、中国がどのような「核実験」を行ったと見ているのかについては、2月17日にヨー国務次官補(軍備管理・不拡散担当)が、いくつかの具体的な数値に言及しつつ下記の通り説明している。これらの数値は整合的である由であり、米側として一定の推計を行っていることが想像される。
・2020年6月22日に、カザフスタンの観測所でマグニチュード2.75が検知された(注:日常茶飯事の小さな自然地震程度のレベル)
・デカップリングの手法を用いると、「デカップリング係数」は20、40あるいはそれ以上になる(注:これが40の時、核出力400トンの爆発を10トンの爆発に見せかけることが可能になる)
・中国は数百トンの核出力を見込んだ核爆発実験を実施している。
