月面という過酷な環境
月面には有害な放射線が降り注ぎ、隕石も落下する。昼14日、夜14日の温度差は270度もあり、重力は地球上の6分の1しかない。しかも真空の空間である。
こうした過酷な環境を緩和する一つの方法は、溶岩チューブの地下空間に居住すること。
竹中工務店の宇宙建築タスクフォース(TSK)は、東京大学の佐藤淳研究室と共同で、2030年代前半までに短期滞在用のモジュール型居住施設を作ろうとしている。
日本は2024年に月着陸機を月面に世界で初めてピンポイント着陸させているので、その技術を使い地下に直接ロケットの居住施設を着陸させることを検討中。そして空気や水を搭載した施設を尺取虫のように広げ、2人用の個室(各1・5畳)を月の地下に築くのだ。このモジュール型施設で約2週間滞在できる。
―― 後半の月面の人工重力居住施設ルナグラスには鹿島建設との施設計画が登場しますが、日本の民間企業の宇宙産業への関わりも盛んですね。
「はい。大手ゼネコンでは、他に月面の砂レゴリスを建築材料に使う計画などで大林組や清水建設も参加しています。というのも、この月面の短期滞在モジュールの研究開発は、2025年度の国土交通省と文部科学省の委託を受けて行っていて、国が予算を割り当て力を入れている事業なんです」
TSKのメンバーは、月面でのQOLを高めた快適な暮らしについては、「月には大地があり重力もある」という理由で、「(建設に)自信がある」と述べているのだ。
