ウクライナ政府は、マジャル次期政権下のハンガリーとの関係改善に大きな期待を寄せている。ただし、マジャル氏は、ウクライナ国内のハンガリー系少数民族の地位改善を強く要求しており、この問題がウクライナのEU加盟条件の一部であることからウクライナ側の対応が求められている。
ロシアにとって親露派のオルバン政権を失ったことは大きな打撃である。マジャル氏の非友好的な姿勢、特に、オルバン政権下でハンガリーに不利な融資条件で無理に進められていた露ロスアトム社による原子力発電所の拡張工事の見直しに対して警戒心を示している。
周辺国への影響
ハンガリー総選挙の一週間後の4月19日に実施されたブルガリア総選挙では、親露派と目されるラデフ前大統領の率いる野党が逆に勝利したが、EU事務局内の筆者の友人は、「ラデフはオルバンではなく、ブルガリアもハンガリーとは違う」とあまり心配していない。
来年には、親露派のフィツォ首相のスロバキアにおいても総選挙が実施される。また、ルーマニアにおいても親EUの現連立政権内で分裂が起きており、早期の選挙が取り沙汰されている。
ハンガリー総選挙に加え、ブルガリアやルーマニアの選挙に対する日本での関心は低いように見える。我が国の外交、メディア、経済界に今後求められるのは、欧州の主要国やEUの動向だけではなくて、存在感と影響力を増している北欧や中東欧諸国への関心と関係の強化である。
