八橋油田は7つの鉱区に分かれているが、現在操業しているのは、2地区(外旭川、高野地区)で坑井も14本に減っている。
「昨年の実績で、 1日あたり約20キロ・リットルの石油、ガスは1日あたり9000立方メートルの生産量があります」
最盛期には、日量1000キロ・リットル、同51万立方㍍を誇ったが、現在は低空飛行が続いている。それでも、日本(秋田)で石油・ガスを生産することは大きな意義がある。秋田鉱場生産グループマネージャーの鎌田幸治さんは、こう言う。
「新しい技術を試すトライ・アンド・エラーの場所になっています。最近では、排出される地下水の浄化について、実証実験を行いました。この技術は当社で権益を持っているアブダビの油田で生かされています」
技術さえ持っていれば
有事への備えにもなる
73年のオイルショック、2010年のレアアースショック、そして現在進行中のイラン問題。資源危機に際して、資源小国の日本(人)がいつも直面するのは、「お金を出しても、モノを買うことができない」という現実だ。有事の際、技術さえ持っていれば、未開発の国内外の地で、新たな石油・ガス田の開発に自ら乗り出すことができる。それこそが有事への備えである。単純なコスト論で判断すべきではないだろう。
現在も操業を続ける八橋油田外旭川地区で稼働中の「ポンピングユニット」を訪ねた。田植え前の田んぼが広がる日本らしい田園風景の中に立つポンピングユニットは、なんとも物珍しい。なかには、住宅地の真ん中に設置されたものもある。住宅開発が行われる前に、石油・ガスの産出は行われていたからだ。
「最盛期には秋田だけで約5000人の職員が帝石で働いていたと言われています。家族の誰かが帝石と関係しており、ポンピングユニットはその象徴でした。住民の方々のご意見や騒音対策などには留意しながら操業を続けています。今でも地元の小学校の社会科見学などでも訪れる場所になっています」(金子さん)

