2026年6月23日(火)

プーチンのロシア

2026年6月23日

 ロシア政府は、これらの事件の責任を認めていないが、関係国の当局は、ロシア情報機関の関与を疑っており、ロシアが裏切り者への報復、見せしめ、在外における反政府・反体制活動の妨害等を狙って、これらの活動を実行したと分析している。

ロシアの戦況悪化はさらなる言論弾圧にも

 戦況は現在、膠着状態から徐々にウクライナ軍に有利に動き出している。

 黒海における海戦においては、ロシア黒海艦隊がウクライナ軍のミサイルや水上・水中無人機の攻撃を受けて主力艦の約4割を失い、占領地クリミア半島のセバストポリ港にある艦隊司令部も攻撃を受けた結果、艦隊は黒海東端のロシア領内のノボロシスク港に逼塞している状況である。

 航空戦においては、25年~26年冬期のロシアによるエネルギーや民生インフラに対する連日連夜の空襲を耐え凌いだウクライナは、逆に長距離ドローンでロシア領内の軍需産業や石油インフラを攻撃するとともに、中距離ドローンを使用して、ロシア本土からウクライナ占領地・前線を繋ぐ補給路や武器・弾薬・兵員集積場所を攻撃して、ロシア軍の継戦能力を確実に削いでいる。

 その結果、地上戦におけるロシア軍は、連日平均して1000人以上の甚大な損害を出して、その前進は事実上停止し、場所によってはウクライナ軍の反抗を受けて占領地を奪還されている。

 このように戦況が不利に推移していることを背景にして、ロシア内外における反政府・反体制の声が今後ますます高まること、それに伴って、ロシア当局による国の内外における監視と弾圧も過酷さを増して、第二、第三のスクレペツキー事件が起きることは十分に予想される。

日本にもいる相当数いるロシア人

 ロシアによるウクライナ全面侵攻が始まって以降、戦争を嫌って、また、迫害や兵役を逃れて、日本に移り住んで来ているロシア人の正確な数は、公式の統計として公表されていない。しかしながら、ロシアから日本に渡航してきて、その後在留資格を得て日本にそのまま滞在するロシア人の数は相当数に上ることは間違いない。

 筆者自身、戦争から逃げてきたというロシア人の若者に日本各地で会っている。彼らは、いずれもロシア本国に残っている家族に累が及んだり、自分自身の身の安全が危険に晒されたりするのを極度に心配して、戦争に関する対外的な発言を控えているのが共通の特徴である。

 欧州において起きているような亡命ロシア人や反体制ロシア人の身体に対する物理的攻撃が我が国の国内を舞台にして起きることは断じて許してはならない。 

空爆と制裁▶Amazon
Facebookでフォロー Xでフォロー メルマガに登録
▲「Wedge ONLINE」の新着記事などをお届けしています。

新着記事

»もっと見る