2026年6月23日(火)

勝負の分かれ目

2026年6月23日

 開催中のサッカーワールドカップ(W杯)北中米大会は、主催する国際サッカー連盟(FIFA)のビジネス戦略の拡大路線を象徴する大会となっている。出場国・地域数が前回大会の32から48へと増枠させたことに伴い、試合数も64から104に大幅増。合わせてインターネット上での配信事業者の参入もあって、放映権収入は過去最高額に達する見通しだ。

今大会から導入されたハイドレーションブレーク。戦術のポイントとなるのに加え、〝広告枠〟にもなっている(スポーツ報知/アフロ)

 一方で、入場チケットの価格は、需要に応じて変動する「ダイナミックプライジング」が導入されて高騰。FIFAが突き進むビジネスの最大化路線が莫大な収益をもたらす一方、露骨な利益追求の姿勢への批判も高まる。

CMを呼び込むハイドレーションブレーク

 スポーツビジネスへの拡大路線を突き進むFIFAの姿勢が、今大会ではサッカーの試合形式や観戦スタイルにも変化をもたらす。

 象徴的なのが、試合の前半、後半のそれぞれ22分ごろに一時中断し、選手が給水などを行う「飲水タイム(正式名称ハイドレーションブレーク)」の導入だ。

 FIFAが2025年12月に選手のコンディション確保を目的に導入を決めたが、この間に中継画面にはCMを流すことが可能になった。前後半による試合形式で行われるサッカーが、実質的には、アメリカンフットボールやバスケットボールのような「クオーター制」に変わった背景に、莫大(ばくだい)な放映権料を得るFIFAによる放送事業者への配慮がささやかれる。

 また、世界一を決める決勝では、米メリカンフットボールNFLの年間王者を決めるスーパーボウルと同様に、豪華なハーフタイムショーも実施予定だ。ハーフタイムのショーは、サッカーにそぐわないという声も上がる。

 主催するFIFAが批判の声に真摯に耳を傾けることがないのは、ジャンニ・インファンティノ会長が本格的に舵を切った大会の肥大化に伴う収益の拡大路線が功を奏しているからだろう。


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