2026年7月7日(火)

プーチンのロシア

2026年7月7日

サンクトペテルブルク国際経済フォーラムで見えたドイツの〝接近〟

 今年6月3日から6日に開催されたサンクトペテルブルク国際経済フォーラム(St. Petersburg International Economic Forum:SPIEF)に、ドイツ企業家・議員で構成される代表団が数年ぶりに公式参加した。在露ドイツ通商会議所のマティアス・シェップ会長は、「他の主要な西側諸国と同様、われわれもロシアとの経済的な架け橋を維持したいと考えている。とりわけ停戦合意後を見据えてのことであり、また1000億ユーロ以上と評価されるロシア国内のドイツ資産を保護するためでもある」とSPIEF参加の理由をドイツDPA通信に述べている。

 移民・難民対策への強硬路線で知られる右派ポピュリスト政党AfD所属の連邦議会議員マルクス・フロンマイヤー氏は「われわれはロシアの人々に、将来も中国車ではなくMercedesに乗っていてほしいと考えている」と述べ、「ロシアで何らかの形で事業を継続しているドイツ企業は約1500社。ドイツの議員団のサンクトペテルブルク訪問は『視察』であり、ドイツ企業が再びロシアで事業を行いやすい環境を整えることが目的」と説明したと、ロシアメディアFondsk.ruは報じた。さらに、フロンマイヤー氏は、ガスプロムのアレクセイ・ミレル社長やロシア直接投資基金(RDIF)のキリル・ドミトリエフ総裁との会談において、ノルドストリーム・ガスパイプラインの稼働再開を呼びかけたとされる。

 SPIEFのタイミングにあわせ在露ドイツ通商会議所は、サンクトペテルブルク新事務所の開所式も行っている。ロシア産業家企業家連盟(RSPP)のアレクサンドル・ショーヒン会長は、「一部の企業がロシア市場に背を向けている中で、ドイツ企業がロシア市場を放棄していないというシグナルを発している」と歓迎の言葉を寄せた。

米国と韓国に動く

 米国もSPIEFに参加した。ロシア国営通信社TASSによると、ロシアに所在する米国商工会議所(AmCham Russia)のロバート・エイジー会頭は、「米国企業は長年にわたりロシアで事業を展開してきた。一部の大手ブランドが撤退したことで、あたかも米国企業が一斉に撤退したかのような印象が広がっているが、実際には大多数の企業がロシアに残り、事業を成功させている。製薬企業はその代表的な例である」と述べ、「米国企業は、ロシアとのビジネス関係の回復に向けて前進すべき時期に来ているとのマルコ・ルビオ米国務長官の立場に賛同している」と発言した。RDIFのキリル・ドミトリエフ総裁は、SPIEFにおいて、ロシアと米国がロシア北極圏における共同プロジェクトについて協議を進めていることを強調した。

 ロシアは韓国にも秋波を送る。6月1日付TASSによると、SPIEFに先んじて、アレクセイ・チェクンコフ極東・北極圏開発大臣は、北極海航路を利用したコンテナ輸送について、「中国に次いで2番目に挙げたい国は韓国だ。韓国は強力な造船産業を有しており、戦略的にも地理的にも中国以上に有利な位置にある。つまり、韓国は北極海航路の利用によって輸送時間をさらに短縮できる」と発言した。

 韓国・ロシアビジネス協議会のパク・ジョンホ会長も、韓国当局が9月に北極海航路を利用したコンテナ船の試験運航を実施する準備を進めており、この航路は韓国の経済発展にとって重要な役割を果たす可能性があると言及した。また、韓国企業については、LG電子がロシア工場の一部操業を再開するといった動きが見られ、サムスン電子もマーケティング強化や商標登録を通じてロシアへの再関与を維持している。


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