副首都への集中投資は日本の地方を一層疲弊させる
今年7月10日に閣議決定された政府の「首都圏白書」によると首都圏1都7県の県民所得合計は毎年全国の4割程度で推移している。国勢調査によると人口は約5130万人、全国の4割を超えている。
副首都法案は、副首都は「東京圏と並ぶ我が国の経済の中心となる」都市と定めている。東京圏(国土交通省は首都圏と東京圏はイコールとしている)が日本の国民所得の4割を占めているのだから副首都がそれと「並ぶ」国民所得となるのだったら、首都・副首都以外のすべての地域の国民所得は合わせて2割とか3割という計算になる。法案の規定は急速に進む地方の過疎化を一層進めようと宣言しているようなものである。
首都圏整備法ができたのは1956年である。この法律に基づく広域連携拠点(途中、多極分散型国土形成促進法に基づく業務核都市)として、横浜(みなとみらい21を含む)・川崎、厚木、相模原(リニア中央新幹線の駅ができる)・町田、八王子・立川・多摩、青梅、川越、熊谷、さいたま(さいたま新都心を含む)、春日部・越谷、柏、土浦・つくば(筑波研究学園都市を含む)・牛久、成田(成田空港を含む)、千葉(幕張新都心を含み千葉ニュータウン、印西市と連携)、木更津など各都市が半世紀以上にわたって育成されてきた。
日本が高度経済成長期で経済も人口も伸び盛りの時代を含め半世紀以上かけて首都圏各都市が整備されその都市間ネットワークのため直径約100キロメートル(㎞)、延長300㎞を超す圏央道等が整備されてきた。
首都圏整備法ができた56年には日本の人口は前年に比べ約86万人増えていた。しかし今の日本は逆に毎年50万~60万人減っている。こんな時代に新たに副首都を育成するのか。時代錯誤の副首都への投資は日本の財政を危うくする。
