「別に買ってくればいいんじゃない?」
このような社会的な背景、文化の違いがあるため、中国のお母さんは毎朝「お弁当を作らなければならない」という必要性がない。上海に住む知人は「もし必要があるとしたら、各家庭の経済状況が見えて格差が出てしまうのでは?」と筆者に語った。日本なら、どんな富裕層であっても、とんでもなく豪華な弁当を子どもに持たせるような人は少ないだろうが、中国だったら見栄を張って競い合ってしまうのではないかというのだ。
別の中国人は「手作りしなくちゃいけないという考え方自体がおかしい。無理して作らなくても、別に買ってくればいいんじゃない?そのほうが断然美味しいでしょう?」と語り、日本人の間にあるお弁当作りの強迫観念みたいなものに疑問を呈した。
むろん、日本でも、日々必死で作っている家庭ばかりではない。「おかずは冷凍食品ばかりだし、もう習慣になっているから苦痛ではない」という人もいるし、「学校付近でパンやおにぎりを買って食べなさい」と言ったり、お母さんではなくお父さんがお弁当作りの担当という家庭もたくさんあるだろう。
しかし、お母さんの中には「できるだけ自分で手作り」という強迫観念に捉われたり、「よいお母さんだと(子どもや周囲に)思われたい」と思って、睡眠時間を削ってまで、お弁当作りに邁進する人がいる。そんな日本人ならではの考え方は、中国人にはなかなか理解しづらいものであるようだ。

