「広告収益分配プログラム」とは、Xの投稿への閲覧数に応じて広告収入がもらえる仕組のことだ。インプレションが多ければ多いほど金がもらえるこの仕組みは、画面が表示されれば1回のインプレションにカウントされ、じっくりとその投稿が読まれなくてもタイムラインをスクロールして、画面を通り過ぎただけでもカウントされる仕様になっている。
そのため、とりわけXでインプレションを稼ぐために中身のない投稿や迷惑な返信を繰り返す者が絶えない。海外からも意味もわからずコピペした投稿が多く発生している。
「広告収益配プログラム」に参加するには、有料の「X Premium会員」へ加入してアカウント名の横に青いチェックマーク(認証バッジ)を付ける必要がある。その上で過去3カ月間の全投稿の合計が500万インプレションを超えていることと、アカウントのフォロワー数が500人以上いることが必須条件になっている。
興味深い投稿を創作するよりも、すでに何万回も読まれている他人の投稿の返信欄に無意味なコメントをぶら下げてインプレションを稼ぎ、広告収入を得るという「インプレゾンビ(Impression Zombie)」と呼ばれる者が現れるのも時間の問題だった。
例えば、みんなが検索する言葉「#熊本地震」を投稿にまぜるだけで簡単に数万のインプレションが稼げてしまうため、災害が起こるたびにコピペやデマ投稿が乱発される原因になっているのが現状だ。
低所得の国々から発信される偽情報
偽情報を発信する海外アカウントは、パキスタンやナイジェリア、バングラデシュなどの発展途上国が圧倒的に多いようだ。
例えばパキスタンの場合、深刻なインフレが続いており、職のない若者がSNSを利用して何とか収入を得ようと「広告収益分配プログラム」に参加し、躊躇なく偽情報を拡散している例が見られる。パキスタン統計局の最新報告によるとパキスタン全体の平均月収は約2万4028パキスタン・ルピー(約2万1000円)だが、「広告収益分配プログラム」による収入は、数万円から数十万円にもなることがある。
一方、日本はXのユーザー数が4000万人を超えており、アメリカに次いで世界第2位の規模であると同時に、日本人は、災害情報の検索やリプライ欄のチェックを頻繁に行うため、最も効率よくアクセスを稼げる国としてインプレゾンビに認識されている。
