2026年8月19日(水)

デジタル時代の経営・安全保障学

2026年8月19日

効果がないインプレゾンビ対策

 Xもインプレゾンビへの対策を行っていないわけではない。22年12月から世界展開されているコミュニティノートと呼ばれる協力者をつかって偽情報を見つけ、収益を剥奪する制度が導入されている。23年7月には日本語版コミュニティノートも導入されているが、確定するまでに数時間から数日を要するため、災害発生直後の最初の数時間に偽情報を流して、一気にアクセスを稼ぎ逃げ切るといった手口にはあまり効果がないようだ。

 「広告収益分配プログラム」は、インプレゾンビの温床となるなど、あまりの問題の多さから、今年8月7日をもって新規受付が停止された。現在の制度は、9月7日をもって完全に廃止され、9月8日からは無断転載やコピペ、インプレゾンビを排除し、独自に制作された投稿のみを評価する「オリジナルコンテンツ報酬プログラム(Original Content Rewards Program)へ移行することが決まっている。

「オリジナルコンテンツ報酬プログラム」を発表するXのポスト

 「オリジナルコンテンツ報酬プログラム」は、日本、アメリカ、インド、バングラディシュ、サウジアラビアなどXが承認した100カ国以上に適用されるが、パキスタンはこのプログラムの対象国となっていないようだ。新プログラムへの移行は自動ではなく、全員が再申請して審査を受けることになるためパキスタンのクリエイターは、再申請の権利自体が与えられないため、9月以降の収入は完全にゼロになる一方、X Premiumの月額会費のみ課金されることになる。

 真面目にコンテンツを作っていた一般クリエイターまで一律に巻き添えを食らい、収益の道を断たれたため、現地では不満が高まっているようだ。パキスタンがなぜ新プログラムから外されたのかは発表されていないが、恐らくインプレション稼ぎの無意味な投稿が多かったのも一因だろう。

ユーザーとしての対策

 令和8年熊本地震はこのXの制度変更のはざまで起こったものだが、この新しい制度がインプレゾンビの削減にどれほどの効果を発揮するのか注目したい。

 ユーザーができることといえば、自分への投稿への返信をフォロワーのみにすることや認証アカウント(青バッジ)のみに制限し、偽情報を見つけ次第、スパムとして通報し、ブロックすることだ。

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