市民を魅了する人材も
秋の中間選挙を前に民主社会主義者のマムダニ・ニューヨーク市長が推した3人の候補が民主党予備選で現職や主流派候補を破り、コロラド州でも民主社会主義者が15期下院議員を務めた現職に勝利した。この4人を含め「アメリカ民主社会主義(DSA)」やJustice Democrats(JD)、Working Families Party(WFP)といった極左グループが推薦する連邦議会や知事の候補は少なくとも20人に及ぶ。
DSAの中には上院の廃止、議会による大統領や最高裁判事選出などを掲げる者もおり、本選で自党の穏健派や無党派層を取り込めるかは分からない。しかし、DSA候補の中にはマムダニやAOC同様接する者を魅了する人間性や話術に長けた人材もいる。
例えば8月4日のミシガン州での民主党連邦上院予備選で党の指名を受けたのは、サンダースやAOCが応援するアブドゥル・エル・サイド医師である。彼はムスリムであり、イスラエルを「悪」と呼び、イスラエルに対する一切の支援を打ち切ることを提案しているほか、「敵を泥に投げ捨て窒息させる」など発言は時に過激である。しかし、大学卒業生を代表し演説した際、ゲストだったクリントン元大統領がサイドに医師でなく政治家になるよう進言するほどの秀でた弁舌と人間的魅力を兼ね備えている。
DSAがアピールの巧妙さや組織力に長けているのに対し民主党全国委員会は方向性を失い分裂している。すでにDSAを敵にできないとみなした次期大統領選への出馬を検討しているカマラ・ハリスはマムダニとの関係を築こうとしているほどである。
トランプ、そしてトランプの二期目を許した民主党指導層への怒りが民主党を変えつつあるのは間違いなく、共和党同様、民主党は大きく変わりつつある。中間選挙で民主社会主義者が多く勝利するほど党は塗り替わり、AOCを筆頭に民主社会主義者が大統領候補になる可能性が現実味を帯びるだろう。中間選挙は、連邦議会の勢力図を決めるだけでなく民主党の将来を占うことになる。
