2026年8月28日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年8月28日

(3)グリーンランド購入提案の背景には、レアアース開発に加え中国の進出阻止という意図があること

(4)イランとの戦争については、核開発阻止に加え、中・露・北朝鮮・イランの独裁強権4国家間の連携を切り崩す狙いもあると思われる。

多岐にわたる日本への行動

 中国は、昨年10月のトランプ・習近平会談直後から米国の同盟国への探りを入れ始め、5月の北京での首脳会談後はさらに踏み込んだ動きを見せている。中国は、トランプが米中関係の改善を損なうような行動は取らない、ましてや中国に対し同盟国への挑発や威圧をやめることなど要求しないだろうと踏んでいる。

 中国が米国の同盟国を同時に締め上げている背景には、アジアにおける米国の影響力が衰えつつあり、イラン戦争によって米国の関心がそらされているという中国の認識が反映されている。中国は、海軍や空軍などの活動を「常態化」させ、非友好国に打撃を与える能力があることを世界に示そうとしている。

 中国およびロシア、北朝鮮の日本に対する行動は、海軍、空軍、海警局による威嚇だけでなく、経済的威圧、サイバー攻撃、選挙干渉、スパイ活動、認知戦など多岐に渡っている。さらに中国は、昨年5月「国際調停院」を32カ国の署名を得て香港に立ち上げ、今年7月にはAI版一帯一路ともいえる「世界人工知能協力機構(WAICO)」を29カ国の署名を得て創立し、国際的影響力の拡大に着々と取り組んでいる。

 高市早苗首相は、これらの動きに対する危機感を高めるとともに、トランプ氏に対し、中南米やアジアの同盟国だけでなく、NATO加盟国、インドとの連携強化の重要性をも説明すべきである。

酷似する「戦間期」と現代 第三次世界大戦を防げ【特別版】▶Amazon
Facebookでフォロー Xでフォロー メルマガに登録
▲「Wedge ONLINE」の新着記事などをお届けしています。

新着記事

»もっと見る