追加するとすれば、大陸内部のモデルで民主主義の推進者であった南アフリカの劣化もアフリカの民主主義後退に加勢しているのではないか。当時、南アフリカの指導者は民主主義の価値を掲げ、それをアフリカ連合(AU)首脳会議の枠組みで主導していった。今や、そういう国や指導者はいなくなった。昔のような大陸全体に影響力を持つ指導者はいないようだ。
さらに、最近アフリカ進出を強める中国、アラブ首長国連邦(UAE)等の湾岸諸国、ロシア(いずれも権威主義国)が民主主義の重要性の低下をもたらしているだろう。
トランプ政治は、アフリカの問題に一層悪影響を与えている。トランプの根拠薄弱な南アフリカいじめも影響している。今年の主要20カ国・地域(G20)議長のトランプは、昨年の議長国の南アフリカの招待を拒んでいる。
トランプによる世界の政治文化への悪影響は酷いことだ。米国のソフトパワーは地に落ちている。本来、米国は自らの「お手本(行動例)」を通じて、かかるパワーを発揮すべきなのだが、民主的カルチャーを破壊し、タブーを破り、悪い先例を積み増している。
権威主義国との競争
アフリカの大半の人々が民主主義を支持しているのは良いことだが、悪貨が良貨を駆逐しないように、注意を要する。そのためにも、西側諸国は良い支援を継続し、民主主義を慫慂(しょうよう)していくことが重要だ。
程度の差はあれ、権威主義的な特徴を持つ今アフリカ進出に力を注いでいる国々(中露、湾岸諸国)と競争していく必要がある。世界の民主主義国は行動によって模範を示す必要がある。
