2026年9月7日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年9月7日

ウクライナ戦争の行方で大きく変わる

 ウクライナ戦争がいつ、どのような形で終わるかを、科学的に検証可能な形で答えることはほぼ不可能であり、また、この戦争がいつどのような形で終わろうとも、プーチン政権の抱える「後継者問題」は存在し続けるのであって、ウォラー氏が「プーチン亡き後」に焦点をあてて論じることとしたのは理にかなっている。

 ただ、実際には、ウクライナ戦争がいつ、どのような形で終結するかは、「プーチン後」に繰り広げられる権力闘争の「初期条件」を形成することになるだろう。例えば、この戦争が長期化すればするほど、国内の資源配分が軍や情報機関にさらに大きく傾斜することになり、それは「プーチン後」のエリート層における軍や情報機関のポジションを一層強くすることになる。他方、「ロシアの勝利」で終わるか「敗北」で終わるかは、プーチン政権を支えている勢力が「プーチン後」にその正当性を維持できるかどか、という問題に繋がる。

 ウクライナ戦争は、すでにロシアの政治・経済・社会の各般に構造的なひずみを作り出している。この戦争がいつ、どのような形で終わるかは、その歪みがどのような形で「プーチン後」のロシアに「遺産」として残されるかに関わってくる。戦争が長期化し、最終的にロシアの敗北で終わった場合が、言うまでもなく、ロシアにとり最悪のパターンとなる。

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