宅配便市場はヤマト・佐川2強の寡占化が進む。そこに押し寄せるEC化。配送はコストか利益の源泉か─。業界入り乱れた模索が始まっている。
「来年あたり、ヤマト運輸の市場シェアが5割を超えるかもしれない。そうなるとより強い価格決定力を持つ」(ある中小宅配会社の幹部)
国土交通省が7月に発表した2013年度の国内の宅配便取扱個数は、前年度比3.1%増の36億2668万個だった。ヤマトの「宅急便」のシェアは46.3%と前年度比3.6ポイント増。2位の佐川急便の「飛脚宅配便」を合わせると約8割と寡占化が進む。
宅配便の取扱個数の著しい増加をもたらしているのは、ネット通販などEコマース(電子商取引)市場の拡大だ。
「ECは、正確な数字を取れていないが確実に伸びている」(ヤマトの櫻井敏之・ECソリューション課長)。