Wedge REPORT

2014年10月15日

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 IVQの効果はすぐに表れた(下グラフ参照)。人より早く多く獲る理由がなくなったことで、1日に出漁する漁船数は減り、1日あたりの水揚げ量は減少し、年間操業日数は増加した。漁業者の目標は、多く獲ることから、限られた漁獲量で利益を最大化することに変わり、水揚げされた魚の品質や価値は向上した。競争がなくなると、無駄な設備を維持する理由もなくなった。ある企業は漁船数を64隻から28隻に、加工場の数を10カ所から5カ所に削減した。興味深い点は年間売り上げが25億米ドル前後で変化していないことだ。

 研究者や政府関係者によれば、IVQ導入には反対もあったという。しかし、説得を繰り返して導入に成功し、今では多くの関係者が重要性を理解しているとのことだ。12年にTACの大幅削減が決まった時も、反対の声は上がらなかったという。ある企業の代表は、「資源を守るために必要なことだ」という声明を発表している。資源がなければ漁業はできない。

 しかし、利益を上げられなければ漁業は衰退する。IVQという限られた漁獲量で利益をあげる仕組みがなければ、TACの大幅削減も受け入れられなかったかもしれない。資源を守りつつ利益の出る漁業に変えていけるということを、ペルーアンチョベータ漁業の資源管理は教えてくれる。

  
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◆Wedge2014年8月号より

 

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