箱根・小涌谷(こわくだに)の地に、広大な展示スペースを持つ岡田美術館がデビューして1年。日本をはじめアジアの美術品からなるコレクションの中から、近代日本画にスポットを当てた、開館1周年記念展が開催されている。
ハイライトのひとつが、黒雲の中にそびえたつ富士山の雄姿を描いた横山大観の「霊峰一文字」。縦1メートル、横9メートルにおよぶ大作だ。また、水墨画の傑作と評される速水御舟(はやみぎょしゅう)の「木蓮(もくれん)(春園麗華)」は、昭和55年(1980)に京都国立近代美術館で開催された「速水御舟の芸術展」以来、34年ぶりに公開される。
大正15年(1926) 岡田美術館蔵
このほかにも、菱田春草(ひしだしゅんそう)の「紅 葉に小禽(しょうきん)」や川合玉堂(かわいぎょくどう)の「渓山錦秋」など、「紅葉」をテーマにした4人の画家の作品の競演など、見どころは尽きない。
今年は日本美術院が再興されて、ちょうど100年にあたる節目の年。会場には大観、春草、御舟をはじめ、下村観山(かんざん)、小林古径(こけい)、前田青邨(せいそん)など、明治から昭和にかけて日本画壇をリードした画家たちの作品40点あまりが一堂に会し、近代日本画の潮流に触れることができる。
美術館正面には、源泉かけ流しの足湯もある。芸術鑑賞の後は、温泉地らしいリラックスした気分を楽しみたい。
大観・春草・御舟と日本美術院の画家たち
<期間>10月4日~3月31日
<会場>神奈川県箱根町・岡田美術館(箱根登山電車小涌谷駅からバス)
<問>☎0460(87)3931
http://www.okada-museum.com/exhibition/
*情報は2014年10月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください
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