2024年4月19日(金)

田部康喜のTV読本

2014年12月3日

あたたかい幸せをみつける旅の終着点

 ふたたび真理は選タクシーに。Cコースは駅からバスにすぐに乗り込む。レディースに絡まれた枝分を助ける過去は消される。実家の挨拶を終えても、レディースたちは現れない。ただし、枝分はレディースたちに少々痛めつけられる時間を持たなければならなかった。その途中で助けてくれたのが、café choiceの店員のカンナ(清野)だった。レディースの総長だった彼女の過去がここで明らかになる。

 帰りの電車を待つふたり。真理は内藤に真実を語っていないことに良心が痛む。駅のそばに止まっていた枝分の車に乗り込む。「彼に本当のことを話したいのでまた戻って」と。

 枝分はこういうのだった。

 「戻る必要なないんじゃないですか。ここで話せば、それにわたしがもう一度痛い目にあうのも嫌ですし」

 タクシーのなかで話しあうふたり。駅のベンチにたたずむ枝分。

 カメラはタクシーのなかに入って。

 内藤はいう。

 「レディースだったことは分かっていたよ。君が切れたときの言葉や部屋をみればね」

 真理の部屋には、バイクのミニチュアが飾られ、飾りは原色に満ちている。

 時空を行き来しながら、ゲストの女優たちが演じる秘書や医者、OLらが到達する今はそれぞれが、あたたかい幸せをみつける旅の終着点である。

 バカリズムの脚本は幾何学の補助線のような、鮮やかなエピソードによって毎回締めくくる。

 新たな才能を持ったドラマ作りの登場は、今年のテレビ界の収穫のひとつである。

  
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