世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年1月19日

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 ISがアルカイダ等の他のイスラム過激派集団と異なるのは、単なるテロ集団ではなく、一定の領土を支配し統治するという疑似国家的性格を有すること、また、シリア内戦とイラクにおける混乱によりもたらされた力の真空状態をうまく利用したという特殊な背景があります。更に、ISの元々の前身である「イラクのアルカイダ」は土着性が強く、ネットワーク的な広がりによって勢力を拡大するような集団ではないと言えます。

 イスラム過激派が活動する地域がどこにでもあるわけではなく、また、イスラム教指導者による「カリフ国家」樹立を目指すというISの一種のイデオロギーが支持されているわけでもありません。ただ、ISの急激かつ驚異的な成功について、これを戦術的に真似る動きが出てくる可能性は否定できず、アフリカや一部アジアにおいて分裂状態や破綻状況にある地域や国家におけるイスラム過激派の今後の動向には、一応注意しておく必要があります。

  
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