2024年7月25日(木)

炎上?感動?ネットで話題のニュース

2015年1月16日

 以上が風間氏が確認した内容で、3つの問題点の原因だ。ほかに筆者が確認したところでは、「危機管理センター」という実在しない部署名は大田区が発信した情報が誤りの出所であったと思われる。また大田区からは16時過ぎには情報提供が始まっており、ネット上の情報拡散もここから始まったようだ。
http://matome.naver.jp/odai/2142079385112398501

 まさに「お粗末」としか言いようがない事の顛末。正体不明の情報に驚き、多くの保護者を戦々恐々とさせた原因は、世田谷区危機管理室のずさんな対応にあった。とりわけ深刻なのは、「正確な情報をいち早く提供しない」ことによってネットが混乱することを、まったく想定していないと思われることだ。これが単なるデマだとしたら、笑える話ではないがまだ事後の教訓話として片付けられたかもしれない。だが殺害予告メールは事実送られていた。「世田谷区のガキを皆殺しにする」という強烈な言葉を使って、地域社会全体が脅迫されているのだ。風間氏は区議会でこの問題を徹底追及していくとしているが、ぜひ納得のいく形で区民へ改善策を示してほしいと思う。

ネットの力と善意を生かすために必要なこと

 筆者個人としては、今回の事件について別の角度から思うことがあった。それは、「拡散すべき情報をいかに見極められるか」ということ。ネットのつながりと情報伝達力の真の価値は、事件や事故、災害と直面した非常時にこそ発揮されるものだと思う。だがその価値を生かすためには、ユーザーそれぞれの拡散しようとする情報が正しいことが前提条件。非常時に誤った情報が伝わることは逆効果にもなり得るし、さまざまな事例からネットの力を知っている私たちは、ときとして情報発信に慎重になることもある。

 「大田区の人から聞いたんだけど、世田谷区役所に殺害予告のメールが届いたらしいよ」

 これだけの情報で、つながりのある人々に注意喚起の情報を発信できる人は少数派なのではないか。もしデマだったら……と考えると、拡散に加担したくないという心理も働く。情報の出所を確認し、それが間違いないものであると判断できるからこそ、善意の拡散が広がっていくのだろう。行政をはじめ、非常時に第一次情報を発信する立場にある方々には、ぜひそれを意識してほしいと思う。危機に際して大きな助けとなるネットのつながりと情報伝達力を支えるのは、正確でスピーディーな第一次情報なのだ。

 土曜日、自宅の窓を開けていつもより静かな世田谷の街を眺めつつ、なるべくなら危機は訪れないでほしいと思った。けれど天災などの非常事態はいつか必ず訪れる。そのときに正しい情報を取捨選択し、拡散できる状況を作れるのか。ネットの力を使いこなす広報体制が求められている。

  
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