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2015年1月23日

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岡田仁志 (おかだ・ひとし)

国立情報学研究所情報社会相関研究系准教授

1965年大阪府生まれ。東京大学法学部卒業。大阪大学大学院国際公共政策研究科博士前期課程修了。同研究科博士後期課程中退。博士(国際公共政策)。2000年から国立情報学研究所助教授。2007年より現職。著書に『決定版ビットコイン&ブロックチェーン』(東洋経済新報社)、『リブラ 可能性、脅威、信認』(日本経済新聞出版社)など。

 ビットコイン関連のイベントは、現実にも世界各国で開催されている。仮想通貨ビジネスへの関心が高まるサンフランシスコ、ニューヨーク、マイアミ、新しい金融ビジネスの主導権を握ろうとするシンガポール、ロンドン、アムステルダムなどの国際金融センター。そして、アメリカ合衆国の規制が及ばない英連邦のバルバドス、英領アンギラなどのカリブ海諸国でも専門家会合が開催されている。

米国ではビットコインの利用が広がっている

 ビットコインのビジネス展開が進んだ背景には、グーグルのエリック・シュミット会長やヴァージンのリチャード・ブランソン会長など、仮想通貨を支援する有力者の存在がある。シリコンバレーのスタートアップ企業のブーストは、14年11月にビットコイン関連で660万ドル資金を調達した。安価な送金手段であり、また、クレジットカードに比べて手数料が低く、有力な決済手段になり得ることもあって、インターネットの発展を支えてきた起業家たちが、国家によらない通貨の可能性に注目している。

米政府、銀行カード会社はビットコインを「敵視」

 ビットコインはサトシ・ナカモトと称する、正体不明の人物が執筆した論文に基づいて設計された。手形のように人から人へと転々流通するビットコインは、取引を正しく記録するブロックチェーンという仕組みを持つ。それはあたかも、インターネット上に存在する仮想の大福帳のような仕掛けである。一人の信頼できる発行者が大福帳を一元的に管理するのではなく、世界に散らばる数千台のコンピュータが分散的に計算して、取引記録の正確性が担保される。

 ビットコインの驚くべき特徴は、発行者も管理者も存在しないことである。世界中の無数のコンピュータが自発的に計算に参加して、ブロックチェーンの正確性を競い合って維持する。競争に勝ってブロックチェーンの書き換えに貢献すると、報酬として25BTCのビットコインが発生する。1BTCの為替レートが3万円であれば、25BTCのビットコインは75万円に相当する。

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