2024年7月15日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年2月5日

 米露の核関係は安定しているが、中印パの関係は流動的で、危険である。印パ間の核軍拡競争は中印関係を危険にする。しかし中印パ間の軍備管理の見通しは暗い、と述べています。

出典:Robert Farley‘India's Mighty Nuclear-Weapons Program: Aimed at China and Pakistan?’(National Interest, January 3, 2015)
http://nationalinterest.org/feature/indias-mighty-nuclear-weapons-program-aimed-china-pakistan-11956?page=show

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 この論説はインドの核戦力について情報を与えてくれ、有益です。

 印中パ間の核兵器をめぐる関係は相互確証破壊(MAD)がきちんと成立しておらず、安定性に欠けています。米露間では核軍縮交渉を通じ核関係の安定ができていましたが、印中パ間にはそういう安定がないとのファーレイの指摘はその通りです。

 3者間で核軍備管理について話し合いができればよいですが、中国は対米関係を考えた軍備建設をしており、中印パリティで満足しないでしょうし、パキスタンは対印パリティを追求するから、この話し合いは極めて困難なものにならざるを得ません。

 結局、印中パ関係においては、お互いに相手の核攻撃を受ける恐怖で核使用を思いとどまる以外、核関係の安定はありえないのではないでしょうか。ただこれはこれで、それなりに各国の行動への強い抑止にはなります。

 この3国関係で一番問題であるのはパキスタンです。パキスタンの核管理については、PAL(permissive action link:政治指導者が特定の暗号を入力しないと核兵器は爆発しないというシステム)があるのかないのか、核兵器をどこに貯蔵しているのか(特定場所に置いておくと有事の際にインドの先制攻撃の対象になることを恐れ、頻繁に移動させているとの説があります。)など諸問題があります。パキスタンには、イスラム過激派が跋扈しています。こういうなかで核兵器を移動させているのは危険です。3国関係での危険に加え、こういう危険もあります。

  
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