2024年11月21日(木)

都会に根を張る一店舗主義

2015年5月8日

毎週金曜日の晩は暗闇カフェ、毎月第二金曜日は暗闇コンサートが開催される

 だが、カフェの多様性は、それだけに留まらない。

 たとえば、開店後まもなく辻信一さんの発案で脱原発、省エネを掲げ、6月21日、全国に呼びかけ『100万人のキャンドルナイト』を、毎年の行事としていこうとなった。これをきっかけに、カフェでも電気を消してキャンドル・ディナーを楽しむ、毎金曜の『暗闇カフェ』を始めた。

 「真っ暗な中、生演奏をBGMにスローフードを楽しむ、これがデートスポットや非日常空間を楽しめるスポットとして注目され、ミュージシャンにも半年先まで予約が埋まるほど。中でも盲目のヴァイオリニスト、穴澤雄介さんは人気で、最初から今もずっとお願いしています」

 また、吉岡さんが、カンボジアの難民キャンプの子供たちのケアに携わった頃に出会ったのが、奥さんの深津高子さん。幼児教育の専門家である深津さんの「平和は子供から始まる」という想いを映し、子育て世代に使いやすい店を心がけ、マタニティーヨガ教室やモンテソーリ教育のセミナーも行う。

 土曜はイベントも多い。数カ月前は、韓国のファン・デグォンさんが来日し、トークイベントが行われた。無実の罪で政治犯として13年も投獄され、何とか生き延びるために監獄に生えていた野草を研究した記録『野草手紙 ~独房の小さな窓から~』(NHK出版で翻訳もあり)が自国でベストセラーとなった人だ。

 「人気があるのは、やっぱり生産者との交流。この前も在来種、固定種、自家採種などの種がテーマのイベントを開催したら300人も集まった。種のこと、農家のこと、発酵食品、非電化やフェア・トレード、映画の上映会、インド料理など食を中心に置いた夕べ、結婚式をする人もいます。近頃は月に一度、ニット・カフェとして利用するグループもいますよ」

土曜日のイベント、ファン・デグォンさんのトークイベントの晩

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