オトナの教養 週末の一冊

2015年4月24日

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東嶋和子 (とうじま・わこ)

科学ジャーナリスト・筑波大学非常勤講師

元読売新聞科学部記者。フリーランスで環境・エネルギー、医療、生命科学、科学技術分野を中心に、科学と社会のかかわりを取材。主著に『名医が答える「55歳からの健康力」』(文藝春秋)、『人体再生に挑む』(講談社)など。新著に『水も過ぎれば毒になる 新・養生訓』(文春文庫)

 その答えはもちろん本書を読んでいただきたいが、ばれないよう、訳者の言葉を借りて簡単に言うなら、「自然のなかには『遺伝子ネットワーク』という形で、新機軸、すなわちイノベーションをつくりだす無限の可能性が埋もれている」というものである。

 この「イノベーションを生む頑強なネットワーク」という概念は、先ほどの研究者集団をはじめとする人間の組織やコンピュータ言語の電子回路、さらには人間がおこなう技術革新にもあい通ずるもののようだ。それを証明する第七章「自然と人間の技術革新」は、多くの示唆に富む。

 隠された遺伝子のネットワークが新種を生む原理は、コンピュータで数学的にシミュレートして初めてわかったものであるが、著者は、この原理が重力による銀河の形成にもあてはまると考える。

 本書を読み終えたいま、「自然がおのずから創造する力」にただただ圧倒され、息を呑むばかりである。

  
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