ヨコスカネイビーバーガー。
昨秋、在日米海軍司令官から、横須賀市長に海軍公認というハンバーガーのレシピが渡されたのだという。
すでに有名になっている、「よこすか海軍カレー」に続いて、まちおこしの材料にしたらどうかということで。そのレシピをベースにしたハンバーガーが、これまた有名なドブ板通り界隈のあちこちのお店で食べられる。
たとえば、ハニービーというお店。ご主人が基地の中の店で働いた末に、開いたと聞いたが、まさにお店自体アメリカである。1970年代の学生時代にアメリカを放浪していた私など、ダウンタウンで小腹を満たした店など思い出してしまうような懐かしい作り。
そして、登場するハンバーガーもアメリカそのものなのである。いや、ファストフードチェーンのそれではない。ビッグなパテに、トマト、オニオンのスライス、レタスを挟み、ケチャップやマスタードは好みでかける。ニューヨークのジャズを聴かせる店で頬張った、たっぷりの牛肉バーガー。中西部の片田舎の食堂のような店で、おやじさんが目の前で焼いてくれた熱々のバーガー。
古き良きアメリカの味。バドワイザーかクアーズが欲しくなるような味。理性がカロリー計算を始めてしまったもので、泣く泣く諦めたが、本当はオニオンリングのフライもホットドッグも、チリコンカーンも食べたかったなあという思い出の味。
食べて、ドブ板通り界隈を歩いたり、あるいは軍港クルーズの船に乗ったりすれば、なるほど、横須賀は人口25000のアメリカの町を内に抱える街なのだと実感する。そうそう、蛇足ながら、ドブ板通りというあまりにも酷い名前のために印象が悪いかもしれないが、すでにきれいな通りである。アメリカと日本が混在する、この街を象徴するような通り。立派な小旅行の目的地。
ところで。オニオンリングを諦めたのは、理性のせいばかりではない。ここに来たら、どうせなら、これも食べたいというものがあるからだ。
先に有名になった、海軍カレーである。