2023年1月31日(火)

Wedge REPORT

2015年6月23日

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 そもそも大阪は財政的に府も市も事実上破綻している。国からの交付金でやっと成り立っているのだから、地元議会が大反対しても、国会決議で無理やり都区制度への移行を促すくらいのことをやらねばならない。ところが国政の政治家の多くは冷淡で「橋下徹のお手並み拝見」といった態度だった。

編:より本質的には、税源移譲や地方交付税といった税制改革が必要なのではないのでしょうか

上山:議論としては真っ当だが、実現可能性が低い。消費税をちょっと上げるだけで、あれだけエネルギーがかかる。税制改革なんて国政レベルで何年かかるかわからない。都構想のほうが簡単だ。それでも都構想がこうなったのは、政府に大都市財政の破綻に関する見識がなかったことが大きい。

 住民投票の否決で大阪市が窮乏化し、府がお手上げ宣言しても、周辺市は救済しない。国も冷淡だろう。大阪市が本当に財政破綻したら、きっと大都市制度の見直しを地方議会と住民投票だけにゆだねる今の仕組みではだめだという議論が始まるだろう。

編:大阪はもう改革できないのか

上山:既得権益を少しでも脅かす恐れのある改革には議会が及び腰だ。他の自治体なら普通にやっているごみ収集や保育所の民営化も市議会の反対で前に進まない。その延長線上に都構想の否決がある。今回の否決を機に改革が後退することはあっても加速することは想像しにくい。とはいえこの7年半、橋下徹氏のおかげで改革が進み、問題点も浮き彫りになった。職員厚遇問題を機に05年から始まった改革は、担い手を変えながら続いてきた。住民投票を経て市民の意識も高まった。これまでの蓄積を実践につなげていける知事と市長の登場を期待したい。

  
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◆Wedge2015年7月号より

 


 


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