田部康喜のTV読本

2015年7月23日

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田部康喜 (たべ・こうき)

コラムニスト

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

 さまざま人に助けられる。そして、周囲の人々を変えていく力も持っている。一馬の子どものような純粋さに触れて、同居していた元社長は、再び人生を歩みだそうという気持ちがわいてくるのだった。家族のもとに戻る。

 初恋の相手となった、謎の女性・真佐子もまた、一馬と付き合ううちに元気になっていく。

 回想シーンのそれぞれが、印象深く心にしみる。

 珍しい蘭を取ってくることを教えてくれた男性が、実は相場の価格を大きく下回る価格で一馬から買っていたことがわかり、その男性を友人と思い込んでいた彼は大きく傷つく。

逃げちゃだめだ。生きることは素晴らしことだ

 自殺を思い立って、通りすがりのトラックを止めて、適当な場所まで運んでくれることを運転手に頼む。運転手は、富士山麓の樹海まで連れていく。そして、30分待つから、思い直したら戻ってくるように諭す。

 「人生は面白いことがある。死んだら面白いことなんてないよ」と。

 樹海の白骨死体に驚いて、一馬は死を断念する。

 窃盗容疑の裁判で執行猶予判決を受けた一馬は、刑事の桃園の勧めで、障害者施設で作業の仕事を始める。女性職員の軽部久美(尾野真千子)が担当になる。

 施設の規律に耐えかねて、山に戻ろうとする一馬と、追いついた軽部とのくんず、ほぐれつのやり取りはみせる。

 「逃げちゃだめだ。生きることは素晴らしことだ」と軽部はいう。

 10月1日からの「完成版」では、一馬の初恋の相手である真佐子や、作業所の仲間の人生の謎が解き明かされる。楽しみな展開である。

 

  


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