第1は、米豪は域外で協力することはあっても、インド洋・太平洋を引き続き焦点に据えるべきである。
第2は、米豪同盟は、アジアの地域的秩序と構造の中心的ハブとして日本、インド、インドネシアなどの同盟国、パートナー諸国を結びつける役割を担うべきである。
第3は、米豪同盟は、特に中国によって突き付けられた海洋に係る挑戦に対応する上で主導的役割を果たすことに焦点を当てるべきである、と述べています。
出 典:Michael Green & Zack Cooper & Peter Dean & Brendan Taylor ‘China’s ascent: the challenges facing Australia and the US’(Australian, July 17, 2015)
http://www.theaustralian.com.au/opinion/chinas-ascent-the-challenges-facing-australia-and-the-us/story-e6frg6zo-1227444779111
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米豪同盟の現状を知る上で良質な論評記事だと思います。
米豪同盟に緊張が存在するとされていることには些か驚きを覚えます。豪州が米国の制止を振り切ってAIIBに参加を決めたことが1つの背景なのかも知れません。それにもまして、中国の台頭に直面しているこの時期に、米豪同盟が必要なのかと問う声が豪州にあるということは驚きです。我が国の状況を見ると、むしろ当然のように日米同盟の強化に動くことには大方の支持があると思われ、この時期に日米同盟が必要なのかを問う声はないと思います。両国の置かれた状況の違いから来ることでしょうか。豪州にあるとされる「罠に陥る」という不安は我が国の「巻き込まれ」論を想起させますが、リスクは全て避けるというのでは同盟は成り立たないということでしょう。
いずれにせよ、豪州は我が国にとって安全保障政策の重要なパートナーであり、米豪同盟を健全な姿に保つよう豪州には意を用いて貰う必要があります。その意味で、3つの提言は的を射たものです。
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